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アクリルヒーター

アクリル板を加熱して曲げる治具


色々作り始めると、ケースが悩みのたねになる。なかなかピッタリのものが無いのだ。市販品は帯に短したすきに長し。ヒマさえあれば電気屋だけでなく、工具店、食器店やホームセンター、100均ショップ等手当たり次第に覗いているのだけど…結局良いものにはたまにしか当たらない。止む無くケースも作るハメになった。アクリル板をカットして接着剤で貼っていたのだが、これが面倒なのだ。また接着剤が漏れたり飛んだりして汚くなってしまうこともしばしばだった。ある日樹脂は熱で変形させることができることに気がついた。ネットで調べると、ヒーターやオーブン、そしてアイロンで曲げるなど結構皆さんやっていらした。アクリル工作のオーソリティであるアクリサンデー社からキットも出ている。だが、本当に部品だけ。それはニクロム線をトライアックで制御しているのだった。僕としてはAC100Vを直接触りたくない。感電の危険性もあるし、トライアックは波形の立ち上がり部分だけを使うことになるので、送電側に無理な負荷を掛けることにもなるのだ。 やはり、制御は直流にしてPWM制御でしょう。これはArduinoの得意技でもある。まずはニクロム線を買ってきて実験してみた。すると、ニクロム線はひたすら温度上昇していくのではなく、概ねその長さ(抵抗値)と電流で温度も決まるようだった。手元に昔のパソコンのごついACアダプタがあったので、これで行くことにした。

 

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写真が300W用のニクロム線。
そのままではちょっと長い(抵抗が高い)ので、少し切って抵抗を下げ、電流を多くする。 ACアダプタは4AまでOKなので、最小5Ωとなるが、買ってきた300Wのニクロム線は30数Ω。 半分程にしなくては…20Ωほどになるよう切った。

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WEBで検索してみると、多くの作例はヒーターの絶縁にシリコングラスチューブを使っている。 手元にそんなものは無い。 ホームセンターや東急ハンズなどを見に行ったが、売っていない。 WEB通販で買うテもあるが、膨大な量を買わないといけなかったり、製品価格より送料の方が高かったりして、二の足を踏んでいた。
我が家をゴソゴソやっていたら、ガラステープが出てきた。 ニクロム線にガラステープを巻き付けてステンレスパイプに通すことにした。 両端は、グラス繊維のエンパイアチューブを通して絶縁のうえ、ブラケットに空けた穴から引き出した。 粘着材が焦げたりしないかと心配だったが、たかが150℃。これで無事に動作している。

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出来上がったものの実測値は、18.7Vで0.9Aになった。 これで15分程で140〜150℃に達した。素晴らしいことにこれ以上温度は上がらない。 実際にアクリル板を当ててみると、以外に綺麗に曲げられた。

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写真の電圧計と電源コネクタを付けているアクリル部材が最初の作例だ。 別に電圧計はいらないのだが、当初コントローラを付ける予定だったので手に入れていたので、パイロットランプ代わりに付けてみた。 熱が出るものでもあるので、ちゃんと動いているか、いくらか分かりたかったせいもある。 …本当なら、温度計と電流計なのだろうが。


参考までにハードウェア・ソフトウェアの情報を。ただしこれらは僕の覚えであり、正確に改版を反映していない可能性があります。この通り作って動かないからと、怒らないで欲しい。