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自転車テールライト

ブレーキを掛けると、加速度を検出してブレーキランプになる。


最近はLEDの普及のお陰で、自転車もテールライトを点けるのが一般的になってきた。
どうせならブレーキランプとの一体型にしたいと前から思っていた。ブレーキの検出は加速度でと考えて実験もしていた。しかし少し前に数社のメーカーがこれを製品化してしまった。また、作るのに二の足を踏んでいたのが、入れ物(ケース)の問題だ。
商品として量産するのなら樹脂の型を作って最適なものにすることができるが、素人の自作にはとても手が出ない。そんなこともあり、この冬に製作は中断していた。
だが、先月思い立って3Dプリンターを作った。それがケースの問題を解決するきっかけになった。そこで遅まきながら、作ることを決意することになったのだ。
とは言え、写真の通りいかにも手作りっぽいゴツイものになってしまった。3Dプリンターの習作みたいなものなので、第1弾はこれで勘弁してもらおう。

 

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制御基板の外形。
基板は3つになってしまった。CPU基板とLED基板、そしてジャイロモジュール。
CPU基板にはCPUとN-MOS FET、そして抵抗やコンデンサが少し。
CPUは8PinのSMDなので、プログラムの変更はICSP経由で行う。

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製造工程の問題で、自作の基板は全て片面基板だ。
表面実装部品が多いので、部品面には殆ど部品が無く、ハンダ面に大半の部品が実装されている。

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横から見た制御部。手前に直角に付いているのがジャイロモジュール。上がLEDモジュール。
LEDは高さを抑えるため、SMDタイプの5050LEDを使用。1つのLEDユニットに3つのセルが入っていて明るい。

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片面基板なので、どうしても配線できない部分ができる。今回は4本のジャンパーが飛んだ。
ホコリの様に見えるのはそのジャンパーワイヤ。0.1mmのエナメル線を使ってみたが、細すぎてハンダ付けに苦労した。

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電池ボックス。14500用だが、単3電池のサイズと全く同じ。
電極は接着剤で付けてある。3Dプリンターで作ったものは接着剤や両面テープと相性が良いので工作が楽だ。

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ケースも、本体・電池ボックス、裏蓋と3つになっている。

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実際にボックスに挿入した、14500バッテリー。
ちゃんと2,800mAhと書いてある。

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自転車への装着は裏蓋を挟んで、Oリングで止める。
実際の商品でもこの装着方法は結構多い。

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試作品の外観。
18650バッテリーに合わせて作ったので、結構大きい。そして重いので、自転車に付けて走る時にも心配になる。

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試作品を正面から。肝心のLEDが小さい!

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本体内は殆ど電池。
リチウムイオン電池はこれでもパワーが大きいので、注意が必要だ。配線の誤りでショートしたりすると、直ぐに発火に繋がる。

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ICSPでArduino UNOを通してプログラムを書き換えている様子。
AtTinyの8ピンに対して、ICSPの6ピンは本数が多いとも言える。ただ、表面実装タイプのCPUだと、プログラムを書き換える最後の手立てなので、面倒でもICSPのピンを出しておくのは、後々都合が良い。

センサーは6軸ジャイロ

全体の構成は、CPUとジャイロ、そしてLEDとそれを制御するN-MOS FETだ。部品はほぼそれだけ
センサーはGY-521と言う中華モジュールだ。搭載されている6軸センサは InvenSense MPU-6050というもの。加速度が3軸、角速度が3軸の合計6軸で、I2Cで接続できる。CPUはAtTiny85(8pin)なので、手足の数が少なくて済む。AtTiny85は僕のお気に入りのCPUのひとつ。8PinのDIPとSO-DIPがあるので小さくまとめるのに都合が良い。値段も1つ¥100〜¥200と安いのにメモリが沢山(ROM8Kバイト、RAM512バイト!!)あってプログラムが楽なのだ。
ブレーキの検出はX軸の加速度。自転車に付けるので振動や傾きで誤動作するのを避けるため、Y軸やZ軸の加速度や角速度をリアルタイムで計算している。

電源に苦労!

モバイル機器はいつも電源に苦労させられる。
今回は自転車に付けるので、少なくとも数時間の連続動作はは要求仕様だ。
試作品には18650と言うやや大きめのリチウムイオン電池を搭載した。18650は3.7Vなので、半導体部品との電源の相性も良い。しかし、他の部品と比べていかにも電池が大きい。日本で入手が簡単なものは、2,000mAhから4,000mAh程度。最近は9,800mAhなんてのもあるが…そう思って物色していたら、14500の大容量のものがあった。14500は大体単3電池のサイズだ(直径14mm長さ50mm)。これなら他の部品とのバランスも良さそうなので、最終的にはこちらを採用した。電池容量は2,800mAhと書いてあるので、18650の少し前の標準的なものと変わらない。ただし、本当にそんな容量があるかどうかはちょっとギモン(^_^;
実際に点灯させて時間を計ったところ、6〜7時間は動作したので、取り合えずはこれで良いことにした。


参考までにハードウェア・ソフトウェアの情報を。ただしこれらは僕の覚えであり、正確に改版を反映していない可能性があります。この通り作って動かないからと、怒らないで欲しい。